プレミアム感覚の健康食品を目指して
Ghent University 様(ベルギー)
ゲント大学は世界トップ 100 に入る大学で、ベルギーの主要大学の一つです。 食品技術・安全・健康学科は、食品科学のさまざまな分野で活動しており、持続可能で健康的な食品システムの実現に貢献しています。
E-Noseを用いて迅速かつ簡便にチョコレートの香りのプロファイルを比較
2016 年にElectronic Nose - Heraclesを導入した食品技術・安全・健康学科は、さまざまな食品マトリックスに関する研究を実施し、最高の製品を選択したり、高品質な香りや風味に到達するための最適な製造プロセスを定義したりしています。におい分析装置を用いた主な研究テーマの 1 つにチョコレートがあります。
- 収穫地域に基づく豆の香りの識別と新しいサンプルの産地の予測
- 焙煎度合いや工程の異なる焙煎豆の香りの比較
- カカオリカーの香気フィンガープリントの識別 [a]
- 最終製品の香りに対するバルク剤(砂糖、粉乳など)の影響を研究するためのチョコレートのさまざまなレシピ比較
GC-MS と比較して高速分析でソフトウェアが使いやすいHeracles
ゲント大学のDr. Daylan Amelia Tzompa-Sosa は次のようにコメントしています。「分析は非常に高速で、7分ごとにサンプルを分析でき、30~40サンプルのバッチ全体を非常に迅速に分析できます。GC-MSでは、1 つのサンプルを40分から1時間で分析するため時間がかかりすぎます。さらに、GC-MSでは専門家のみを対象としている統計データ処理について、AlphaSoft/AroChemBaseでのデータベース抽出は非常に簡単です。Heraclesの分析により、サンプル間のばらつきがどこにあるかを特定し、クラスタを特定し、そのうちのいくつかのみを選択した後に、GC-MS によって揮発性化合物含有量をさらに分析することができます。」
昆虫油や代替動物試料など新しい食料源の研究をサポートする分析機器
食品構造・機能グループは、健康的で持続可能な新しい食料源の研究に深く関わっています。たとえば、クラッカー、チップス、ドーナツ、ケーキなどの最終製品に、従来の植物油の代替品として昆虫油の使用が研究されています。研究チームは、選択した昆虫種、脱臭プロセス、植物油を使用したレシピとの比較など、いくつかのパラメータに従って、これらの昆虫油が最終製品の官能特性に与える影響を評価しています。
また、豚の新たな餌となり得る、異なる種から育てた微生物タンパク質のような代替動物飼料の研究も行っています[b]。これらのタンパク質の臭いは、豚が新しい飼料を受け入れるのに悪影響を与える可能性があるため、E-Nose で正確に評価します。Dr. Daylan
Amelia Tzompa-Sosaは次のように結論付けています。「Electronic Nose は、未来の食品を研究する私たちの日々の研究に欠かせないツールです。私たちは、学生にその動作原理を教え、測定データと消費者テストの結果を関連付けるためにこの分析機器を使えるように訓練することが重要です。」
Quotes
[a] Discrimination of Cocoa Liquors Based on Their Odor Fingerprint: a
Fast GC Electronic Nose Suitability Study, Hayley Rottiers (1,2),Daylan
Amelia Tzompa Sosa (1), Liesbet Van de Vyver (1), Michael Hinneh (1), Helena
Everaert (1,2), Jocelyn De Wever (2), Kathy Messens (2), Koen Dewettinck
(1), (1) Department of Food Technology, Safety and Health, Laboratory of
Food Technology and Engineering, Ghent University, (2) Department of Biotechnology,
Laboratory AgriFing, Faculty of Bioscience Engineering, Ghent University,
Food Analytical Methods (2018)
[b] The type of microorganism and substrate determines the odor fingerprint
of dried bacteria targeting microbial protein production, Myrsini Sakarika
(1,2), Daylan Amelia Tzompa Sosa (3), Mathilde Depoortere (1,2), Hayley
Rottiers (3), Ramon Ganigue (1,2), Koen Dewettinck (3) and Korneel Rabaey
(1,2), (1) Center for Microbial Ecology and Technology (CMET), Faculty
of Bioscience Engineering, Ghent University, (2) Center for Advanced Process
Technology for Urban Resource Recovery, (3) Laboratory of Food Technology
and Engineering, Department of Food Technology, Safety and Health, Ghent
University, FEMS Microbiology Letters, 367, 2020
Ghent University 様のウェブサイト: https://www.ugent.be
掲載:2023年3月
※原文(英語)を和訳