クライオジェニック・トラップシステム | Cold Trap 9000


Cold Trap 9000 クライオジェニック・トラップシステムは、 あらゆるGCに設置可能なコールドトラップです。液体窒素の消費量を節約できるメカニズムを採用しています。


超低温 -180°Cで分析対象成分をトラップ

食品からの香気成分の分析は、ガスクロマトグラフ(GC)、またはGC/MSでの主要なアプリケーショ ンのひとつです。食品マトリックスから香気成分を抽出する前処理として、これまで溶媒抽出や蒸留などが用いられていましたが、近年ではヘッドスペース分析技術の採用も多くなっています。ヘッドスペースのサンプリング法は、主にスタティックヘッドスペース、ダイナミックヘッドスペース、そ してパージ&トラップのカテゴリーに分類されます。

低濃度の香気成分を取り扱うには、トラップ管での濃縮が有効で、吸着剤にはTENAXやグラファイトカーボン、ポリマーなどが用いられます。しかしその場合、吸着剤からのバックグラウンドピー クの存在がしばしば問題となり、特に分子量の大きい揮発成分の脱離には高温が必要とされる中、その効果的な脱離温度とアーチファクトの最小化に脱離パラメータの妥協点を見出さなければなりません。

これに対して、コールドトラップを使用した捕集法には、吸着剤を使わずして、低温で分析対象成分を回収するなど、多くの利点があります。


ColdTrapの動作原理

現在市販されている多くのコールドトラップの短所として、-180°C で機能する特別なソレノイドバルブをもつ加圧システムが必要となること、 そして加圧システムゆえに、多くの液体窒素が必要となることが挙げられます。

Cold Trap 9000 は、ソレノイドバルブが不要な設計で、かつマルチステージエジェクタによる真空システムを採用しているので、 液体窒素の消費量が1分析あたり約200mlと大幅に節約することができます。

マルチステージエジェクタは、圧縮エアのようなキャリアを使って冷却流体を簡単かつ正確に調整することができます。 Cold Trap 9000 の 冷却速度は、 GCオーブン温度に依存し、50°C の場合で約1分30秒、200°C の場合で約4分以内となっています。

一方、加熱速度は 毎分1,350°C と、 ほかのコールドトラップと比べても極めて高速で、小さなチューブに直流を与えることによって、-150°C から300°C まで20 秒以内に加熱されます。


冷却/加熱チャンバー

Cold Trap 9000 は、外径12mm、長さ120mm の小型の冷却/加熱チャンバーで構成されています。トラップはGC オーブン内(またはオーブンの外側)のどの位置にも設置が可能です。カラムはメガボア(ID 0.53mm)まで使用でき、Cold Trap 9000 チャンバー中心にある細いステンレス管を通してセットします。ステンレス管には、>1,350°C/min の急速加熱を可能とするために、 3VDC の電圧が直接かけられます。


温度制御コントローラ

Cold Trap 9000 の温度制御は、専用のコントローラを使って行われます。
以下の3種の動作モードが選択できます。


マニュアルモード マニュアル操作
内部タイマー付き自動モード オートサンプラによる自動操作だが、GC は等温モード
自動モード オートサンプラとGC を含めた完全自動システム制御
   

I/Oボード

Cold Trap 9000 は、専用のI/O ボードを用いてGC やオートサンプラの信号と同期させることができます。 I/O ボードは、接点信号、TTL(正または負)、同期信号などあらゆる外部信号の受信に対応しているため、市場にあるほとんどのGC システムと接続することが可能です。 リモートハンドヘルドコントローラは、動作モード、温度設定やステータス表示を選択するインターフェースとして使用します。


製品仕様

製品名 クライオジェニック・トラップシステム
型式 Cold Trap 9000
温度範囲 冷却: -50°C ~ -180°C 加熱: 50°C ~ 350°C
加熱速度 >1,350°C/min
加熱システム 3 VDC での直接加熱
平衡(冷却)時間 0 ~ 300 sec
分析(加熱)時間 0 ~ 120 min
動作モード マニュアル, タイマー付自動, 自動
入力リモートコントロール AS injected, GC end run (接点信号、TTL または同期)
出力リモートコントロール AS start, GC start (接点信号、TTL または同期)

1 測定する成分や機器設定によって異なります。
※外観・仕様は予告なく変更することがありますので、予めご了承ください。

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