におい識別システムによる信州しょうゆ判別と品質について
長野県工業技術総合センター 様
信州しょうゆの差別化
信州しょうゆは長野県の地場しょうゆとして、国産の大手メーカーとの差別化を図るために、“色がきれい”、“香りおだやか”、“塩かどがない”、“旨味が強い”
という4つのコンセプトのもとに製造方法が検討され、信州のこいくちしょうゆとして、平成7年に開発されました。
食塩、全窒素、直接還元糖、色度等の成分値にその特徴を見ることができましたが、 におい識別システムにより、香りの面でナショナルブランドとの差異を識別することができるか否かについて検討しました。以下、その一部をご紹介いたします。
におい識別システムでの実験方法
試料
- 信州しょうゆ7点(▲)
- 県外大手4 社で製造されたこいくちしょうゆ6点(○)
装置
におい識別センサー/MSコンビネーションシステム PROMETHEUS
実験
- しょうゆ 1ml を容量10ml のバイアル瓶に採取し、密封後、 オートサンプラーにセットし、300rpm で振とうしながら40℃で10分間保持。
- ヘッドスペー ス部の気体を、特性の異なる金属酸化物半導体12個から構成されるセンサーシステムと質量分析計を検出器とするマスシステムにそれぞれ自動注入して、データを取得。
- 取得したデータは装置に付属の解析ソフトによる主成分分析を行い、マッピング。
まとめ
主成分分析した結果、 上図のような分布を示した。
- 第1主成分が 45.2%、第2主成分が16.6% の寄与率を示し、得られた全情報の61.8%を反映した。
- 信州しょうゆは2つのグループ゚に分類された。
この結果から、信州しょうゆと県外産ブランドでは香りに差があることが確認された。
資料:
日本感性工学会 感性計測評価部会資料
※添付の資料は著者の許可を得て掲載しています。