食品の品質と視覚的側面の関連付け

Wageningen University 様(オランダ)

ワーゲニンゲン大学の食品品質・デザイン学部は、食品品質特性の研究のためのインプットとして技術スキルを使用し、フードチェーン全体を通して食品品質を最適化することを使命としています。 本学部の農業技術・食品科学科は、米、穀物、パン、果物から、昆虫などの新しいタンパク質源まで、さまざまな製品に関する研究プロジェクトを行っています。

視覚パラメータの簡単かつ正確な測定

2018年、ワーゲニンゲン大学は、農業技術・食品科学科の研究室の1つに、Alpha MOS のビジュアルアナライザー IRIS を導入しました。この新技術により、研究プロジェクトの一環として食品の特性を研究する際に、より多くの分析データを得ることを目指したのです。

研究・教育アシスタントのMs. Charlotte Van Twiskは、学部から博士課程までの学生たちが研究活動にIRISを使用するためのトレーニングを担当しています。 彼女は「短い説明の後、学生たちは自分で装置とソフトウェアを簡単に扱えるようになります。」 とコメントしています。

博士課程の学生であるLawal Moplolaさんは次のように付け加えています。「2020 年に、サンプル(黄色のキャッサバ粉とパスタ製品)の色パラメータの客観的かつ正確な分析が必要だったとき、私のグループの技術者であるMs. Charlotte Van Twisk が、ビジュアルアナライザー IRIS によるソリューションを提供してくれました。IRIS を使用すると、デバイスの高解像度カメラを使用してサンプルのよい画像を取得することができました。 IRIS について最も興味深い点は、ユーザーフレンドリーであることです。サンプルは白色照明の下で上下から撮影されたため、サンプル画像はシャープでクリアで魅力的なものになっています。 IRISの紹介と使用方法の説明は 1 時間もかからず、問題なく装置を使用してサンプルを分析することができました。」

外観分析の価値ある結果と論文発表

ビジュアルアナライザー IRIS はワーゲニンゲン大学に設置されてから、すでにいくつかの論文が発表されています [1, 2, 3]。 たとえば、「Degree of maturity and dry heat processing affect visual quality and volatile profile of roasted immature rice grains(焙煎した未熟米粒の外観品質と揮発性プロファイルに及ぼす成熟度、乾熱処理による影響)」[2] は、特に見た目の品質が粒の成熟度と加工の程度に影響されることを示しています。 また、測定された視覚パラメータを人間の知覚や化学組成と関連付けるために、現在開発中の次のようなアプリケーションも多数あります。

  • さまざまな熱処理後の昆虫の色の変化
  • 食感と官能評価パネルに関連するトウモロコシパンまたはブロッコリーパンの多孔性
  • さまざまな調理法を使用したレタスとほうれん草の賞味期限
  • β-カロテンの非破壊検出法の開発に関する研究。β-カロテン含有量の増加と濃いオレンジ色の関係を利用して、オレンジ色のサツマイモのさまざまな調理技術を比較します。

Quotes
[1] Surface color distribution analysis by computer vision compared to sensory testing: Vacuum fried fruits as a case study, Fitriyono Ayustaningwarno (a,b,c), Vincenzo Fogliano (a), Ruud Verkerk (a), Matthijs Dekker (a), (a) Food Quality and Design, Wageningen University & Research, the Netherlands, (b) Department of Nutrition Science, Faculty of Medicine, Diponegoro University, Indonesia, (c) Center of Nutrition Research, Diponegoro University, Indonesia - Food Research International 143 (2021) 110230

[2] Degree of maturity and dry heat processing affect visual quality and volatile profile of roasted immature rice grains, Kulwa F. Miraji(a,b), Edoardo Capuano(b), Henry S. Laswai(c), Anita R. Linnemann(b) (a) Tanzania Agricultural Research Institute, Ifakara Centre, Ifakara, Tanzania (b) Food Quality and Design, Wageningen University and Research, Wageningen, The Netherlands (c) Mwenge Catholic University, Moshi, Tanzania, submitted to Food Research International (2022)

[3] Differences in moisture sorption characteristics and browning of lesser mealworm (Alphitobius diaperinus) ingredients, He Sun, Ornella Necochea Velazco, Catriona Lakemond, Matthijs Dekker, Lee Cadesky, Maryia Mishyna, Wageningen University and Research, Wageningen, The Netherlands, LWT, 142, 110989 (2021)

Wageningen University 様のウェブサイト: https://www.wur.nl/en.htm

掲載:2023年6月
※原文(英語)を和訳


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