食品包装・容器のにおいの品質管理に。

サンアロマー株式会社 様

サンアロマー株式会社はポリプロピレン樹脂の製造・販売会社です。世界最大のポリプロピレンの生産規模を誇り、ポリエチレンや触媒においても世界で主要な生産社の一つであるバセル・ポリオレフィンズ社のグループの一員であり、アジア地区でのコア・カンパニーとして活動しています。 


Gemini導入の目的

ポリプロピレンの臭気原因のほとんどは、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤や核剤などに代表される添加物による影響であると考えられています。これら添加物は、加工成形する過程において一部分解し、刺激臭のある化合物が生成される可能性があるのです。 近年、食品業界にあっては臭気レベルの管理がより重要視されており、レトルト製品、食品包装製品、食品容器等に利用される我々の製品についても、このような刺激臭のある化合物の混入防止を徹底して行う必要性が増してきました。また、臭気の管理技術についてもこれまで以上に高度化しなければならないという考えがありました。


官能評価からの移行

Gemini導入以前、我々の製品の臭気評価は官能評価による方法で行っていました。 官能評価による臭気評価では:

  1. 個人差及び同じ人であっても測定する日の体調等で評価結果が変わってしまう。
  2. 後日、臭気が問題となった場合、保管サンプルでの臭気再評価または、GC/MSによる測定を行ったとしても、臭気レベルが変化してしまっている。

といった問題がありました。 臭気の管理においては、臭気レベルを常に同一標準との相対的評価を実現したいのはもちろんですが、臭気レベルの測定詳細データの保存、蓄積を行うことについても重要です。Geminiはこのような問題に対応可能と判断し導入を決定しました。 我々の検討では,製品銘柄の違いにおいて、Geminiと官能評価との相関性が得られた為、現在、臭気評価は官能評価よりGeminiによる評価に移行しています。


今後の方向性

現在は製品の合否判定にのみ使用しておりますが、今後は研究開発過程での臭気評価に活用できるものと期待しております。 低臭気製品の開発において原料種類・原料配合などの相違による臭気差を客観的に評価し、 お客様に提示できる情報として、また製品の改善・改良過程での比較ツールとしての活用を期待しています。


サンアロマー株式会社様のウェブサイト


掲載: 2010年


ページのトップへ戻る