だしつゆの香りのベンチマークに。

マルトモ株式会社 様

愛媛県伊予市に本社を置くマルトモ株式会社は、創業から90年。花かつおを中心としたかつお節関連商品、水産系だし関連商品、いか、くらげ、数の子といったチルドの生珍味商品という3つの事業をビジネスの柱とする食品メーカーです。 この中でも、かつお節を削ってパックした花かつおの生産・販売では日本のトップクラスにあり、また水産系資源の活用に関する基礎的な研究においても、多くの成果を上げています。


あの老舗蕎麦店のつゆをモデルにした「だしつゆ」

近年、取引先の大手コンビニエンスチェーンなどから依頼される課題の多くは、 有名店舗の特定食材をモデルとし、 それと比較して風味が類似した商品を開発することです。 例えば、新規のシーズン商品のために、 あの老舗蕎麦店のつゆをモデルにしただしつゆをつくってもらいたい・・・などです。 こうした要望に対しては、従来まで人間の鼻と舌で香りや味をみながらモデル製品に近づけるような 商品づくりを行っていましたが、 官能評価では「おいしさ」に大きく起因するだしつゆの 温めた時に立ち上る香りの評価にバラツキが出て、 満足のいく結果が出せませんでした。 また、官能評価データだけでは、モデル製品に負けないだしつゆができましたとプレゼンテーションをしても、もう一つ説得力がありません。


香水などの評価に多く利用される装置を、日本の伝統食品に

そこで目をつけたのが、香水をつくるときに用いられている、 アルファ・モス社製(フランス)のにおい識別センサーシステムαFOXでした。香水などの評価に多く利用される装置を、 日本の伝統食品の開発や生産に応用しようという発想自体大胆でしだが、 弊社ではすでに10年前にこの技術の積極的導入を決意しました。 FOXで結果を得ることによって、人間の勘でしか判定できなかったものが、数値として白黒つけられるようになりました。 例えば、それがどのくらい甘い香りを持っているか、あるいは反対に、どのくらいくん臭(ものをいぶしたときに発生する香り)を持っているか ・・・を数値やグラフで視覚的に確認できます。 モデル製品と新しく開発した製品の香りをこのセンサーで測定すれば、どのくらいモデル製品に近づいているかが一目瞭然です。 こうしたFOXによる客観的な結果が、取引先へのプレゼンテーションで絶大なる威力を発揮し、新しい注文の獲得数増加に繋がっています。


マルトモ株式会社様のウェブサイト


掲載: 2010年


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